「命ある限り」は、2012年に大ヒットしたインド・ボリウッドの恋愛映画です。ロマンス&コメディ(ロマコメ)です。インドのトップ俳優、シャー・ルク・カーン主演。脇役のアヌシュカ・シャルマは2013年のフィルムフェア賞と国際インドアカデミー賞で、助演女優賞を受賞しました。ヤシュ・チョプラ監督の遺作となりました。日本では、2013年に「ボリウッド4」の一つとして劇場公開されました。(戸川利郎)

ボリウッド映画「命ある限り」

あらすじ(ネタバレは少ない)

主人公は、インドの軍隊で防護服を身につけずに爆弾処理をする命知らずの男サマル。偶然出会ったTVジャーナリストのアキラはひょんなことから彼の悲しい過去を知ってしまう。それは10年前、ストリートミュージシャンだったサマルと裕福な実業家の娘ミラの純粋な愛ゆえの別れだった。密着取材をするなかで彼に惹かれていくアキラだったが、ある日サマルが事故にあい意識不明になってしまう。アキラはサマルに記憶を取り戻させようと奔走するが・・・。

主演は「キング・オブ・ボリウッド」のシャールク・カーン

主演は、インドでスーパースター的存在の俳優シャールク・カーン(1965年生まれ)。「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」(2007年)「闇の帝王DON~ベルリン強奪作戦~」(2011年)など、多数のヒンドゥー映画に出演し、インド映画界で「キング・オブ・ボリウッド」「恋愛映画の皇帝」などと呼ばれています。

プライベートでは、学生時代に知り合った5歳年下のガウリー・チッバー(現・映画プロデューサー)と結婚しました。15歳で父タージを、25歳で母ファーティマーを亡くしています。一時、もう一人のスター俳優、サルマーン・カーンとの不仲説が噂になったこともありました。

共演は「アジアで最もセクシーな女性」カトリーナ・カイフ

ヒロイン役は、カトリーナ・カイフ(1983年生まれ)。「アジアで最もセクシーな女性」とも称されるトップ女優です。シャールク・カーンと熱いラブシーンを演じています。

「チェイス!」にも出演

カトリーナ・カイフは、香港生まれ。父親がインド人、母親がイギリス人。イギリス国籍を持っています。「タイガー 伝説のスパイ」や「チェイス!」などのヒット作にも出演しています。サルマーン・カーンと長年付き合っていたことでもよく知られています。

インド映画界の名匠ヤシュ・チョプラの遺作

「命ある限り」は、ロマンス映画を撮らせればインド一と言われたヤシュ・チョプラ監督(1932年生まれ)の遺作となりました。チョプラ監督は撮影当時は元気でしたが、デング熱による多臓器不全のため亡くなりました。本作公開の約1ヶ月前の急逝でした。80歳でした。映画のエンディングロールでは、撮影時の姿が映し出されています。

音楽はA.R.ラフマーンが手がける

インドの天才作曲家といわれるA.R.ラフマーンが映画音楽を手掛けています。ラフマーンは2009年に『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞の作曲賞と歌曲賞を受賞しました。シングル・アルバムの総売上枚数が3億枚と、アジア人最高を誇ります。

受賞歴

2013年のフィルムフェア賞と国際インドアカデミー賞(IIFA Awards)で、アキラ役のアヌシュカ・シャルマが助演女優賞を受賞しました。さらに、フィルムフェア賞の作詞賞をガルザが受賞しました。

動画

予告編

映画の冒頭(数分)

劇中曲「Saans」(サーンス)

基本情報

題名 命ある限り
原題 Jab Tak Hai Jaan
出演 シャー・ルクカーン、カトリーナ・カイフ、アヌシュカ・シャルマ
監督 ヤシュ・チョプラ
公開時期 2012年(インド)
2013年4月(日本)
長さ 2時間55分
言語 ヒンディー語
脚本 アディティア・チョープラー


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シャールク・カーン氏、CM出演について発言

2014年3月

ボリウッド映画を代表する人気俳優の1人シャールク・カーンさんは2014年3月、マハラシュトラ州ムンバイで開催されたイベントで、「自分がイメージキャラクターを務める商品やブランドをばかにするようなことは断じてない」と述べた。同じくボリウッド俳優で米飲料・食品大手ペプシコのイメージキャラクターを降板したアミタブ・バッチャンさんの発言を念頭に置いたものとみられる。

カーンさんは「私はこれまでともに仕事をしたことのある人を侮辱したことはないし、今後どこかの企業の商品やブランドのイメージキャラクターに起用されても、契約期間終了後にその商品やブランドをばかにしたりするようなまねは決してしない」と述べた。

バッチャンさんは今から1カ月ほど前、米ペプシコのイメージキャラクターを降板。その際、理由について、「学校で先生から『ペプシは毒のような商品で、体に良くない』と教わった小さな女の子から、なぜそのような商品の宣伝をしているのかと尋ねられたことが決断の契機となった」と答え、物議を醸した。

カーンさんはまた、映画俳優が特定のブランドや商品を宣伝することについて「それが市場で売られ、かつ違法なものでなければ、何ら問題はない」との認識を示した。